2020.04.23

【木村和久連載】タイガーも危惧。
「由緒正しい名門コースを守れ!」

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第252回

「由緒正しい名門コースを守れ」と言われても、何をどう守るのか、ピンとこないと思いますが、この言葉を放ったのは、タイガー・ウッズですからね。ちょっと耳を傾けてみましょう。

 タイガー・ウッズが危惧しているのは、由緒ある昔の名門コースが今や"ポンコツ扱い"になりつつあること。言い換えれば、昔の人が一生懸命造った名門コースは、現在のPGAツアーのトーナメントで使用するには、いささか距離が足りない。「じゃあ、改造するか」となると、昔のよさが失われ、文化的な価値が失われてしまうのではないか、そう危惧しているのです。

 こうしたことは、アメリカに限らず、日本のコースにも言えることです。プロのトーナメント開催のため、コースの全長を7300ヤードぐらいに延ばすのはいいけど、「じゃあ、そのフルバックティーは、大会が終わったら、誰が使うのよ?」となったりしますからね。

 コースの至る所を改造し、距離を長くして難しくしても、1年52週のうち、トーナメントで使うのは、大会期間の1週間のみ。残り51週は、さほど飛ばないアマチュアがラウンドするんですよ。宝の持ち腐れにならないか、といった懸念があります。

 これが、マスターズの専用コース、ジョージア州にあるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブなら、問題ないと思うでしょ?

 まあ、ポンコツ扱いを受けたり、改造して宝の持ち腐れになったりはしませんが、ここは、毎年と言っていいほど、改造がなされています。

 マスターズは、決してヘビーラフにはしません。見た目の美しさも重要視され、意図的にきれいなフェアウェーが多めのセッティングになっています。そうなると、距離を延ばして、飛ばし屋のプロに対抗していくしかないわけです。