タイガー・ウッズからの「最高の
プレゼント」に日本中が酔いしれた (2ページ目)
火曜日は、練習ラウンド。水曜日は、今大会を開催にこぎつけた前澤友作氏(大会名誉会長)や孫正義氏(ソフトバンクグループ会長兼社長)とのプロアマ戦。木曜日の大会初日は、出だしから3連続でボギーを叩く最悪のスタートながら、首位に立ち、ラウンド後は契約するテーラーメイド社主催の公開レッスンに参加した。
金曜日は、大雨で中止となり、その分、土曜日に第2ラウンドを、日曜日には第3ラウンドに加え、最終ラウンドを日没までプレーした。
多忙を極めるなかで、初日から一度も首位を譲らない完全優勝である。
「3連続ボギーで始まり、まさかこんなスコアで上がれるとは思っていなかったが、なんとかカムバックできた。いくつかのミスはあったが、リカバリーできたことに加え、パットもたくさん決めることができた」
こうしたタフなスケジュールをこなしながらも、優勝を遂げたウッズの凄みを端的に表現したのは、最終ラウンドでスコアを崩し、通算1オーバー、51位タイに終わった石川遼だ。
「月曜日から、いろんなイベントがあって忙しいなかで、試合にフォーカスできる切り替えや、43歳になっても5日間競技を戦い抜ける体力的な部分は、言葉で表現できない(凄さがある)。身体に関しては、20代からの積み重ねだと思いますし、身体(の強さ)があれば、これだけの技術が引き出せるということで、あらためて体作りが大事なんだなと思います」
長く腰痛に苦しみ、4度の手術を経てきたウッズは、今年8月にも、左膝の軟骨損傷のために手術を受けた。術後の復帰戦が今大会だった。
「数カ月ぶりに、しゃがんで(グリーンの)ラインを読めるようになった。このような、さりげなくシンプルなことが違いを生む。スタンスもよくなったので、ラクにパッティングができるようになった。スイングに関しては、スピードが戻ってきて、皮肉なことに、そのおかげで背中の痛みも少し和らいできた」
世界中のトーナメントから出場を請(こ)われ、出場試合を自身で選べる立場にあるウッズにとって、PGAツアーとはいえ、初開催となる日本のトーナメントへの出場を決断したのは、過去にダンロップフェニックスで2勝を挙げた経験などから、日本を心から愛しているからだろう。そうしたウッズの好意は、発言の節々から感じられたし、このスケジュールを笑顔で受け入れていることでも明らかだ。
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