2019.09.16

世界9位・畑岡奈紗に「完敗した」
渋野日向子。「課題が見つかった」

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 最寄り駅の神戸電鉄粟生線「恵比須駅」で下車すれば、シャトルバス待ちの行列が昨日より短いことにホッとする。3日目を終えて、渋野日向子のスコアは通算1オーバーで、トップをいく畑岡奈紗は通算13アンダーだ。その差は14打と大きく開き、渋野の優勝の可能性は限りなく0%に近づいた。

 本日は昨日よりさらに暑くなるとの予報。ゴルフ観戦にはキツすぎる気候だ。”シブコ・フィーバー”のほうは、逆にいくらか収まるのではないか。入場者が1万人を超えた昨日のような騒ぎにはならないのではなのか……との読みは、しかし大きく外れることになった。

 午前8時過ぎに会場のチェリーヒルズゴルフクラブに到着。MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)のスタートをネットで確認したあと、コースに出て行けば、あたり一帯は、すでにディズニーランドを彷彿とさせる、楽しげな喧噪に包まれていた。

 MGC出場選手が走る東京都心のコースと違い、こちらは神戸の郊外。市街地から電車で1時間近く揺られないと来られない丘陵地だ。あとで聞いた話によれば、ギャラリーの数は前日をさらに上回る1万3000人を超えていたという――。

日本女子プロ選手権では通算1アンダー、33位タイに終わった渋野日向子 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日。

 8時30分、渋野はすでにスタートを切っていた。もちろん、大ギャラリーを引き連れて。

 1バーディー、1ボギーで迎えた7番のパー5。3打目を右奥のラフに外した渋野は、なんと4打目のアプローチをシャンクしてしまう。ボールはすっぽ抜けるようにラフからラフへと真横に飛んでいった。

 ゴルフは、大袈裟に言えば事件の連続だ。よい事件もあれば、悪い事件もある。前日にも、あらぬ事件を目撃していたばかりだった。16番で畑岡が演じた空振りシーンである。ラフで浮いたボールの下をクラブヘッドがくぐり抜けるという、プロの大会では滅多に見かけないプレーを2日連続で目にするとは、何たる偶然。さらに続く8番ホールでも、渋野の同伴競技者である葭葉ルミが、畑岡と同じようにアプローチを空振りしてしまう。