世界9位・畑岡奈紗に「完敗した」渋野日向子。「課題が見つかった」 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

「ラフに入った時は、大抵ボギーでした。グリーン周りの長いラフに対応できませんでした。『勉強になった』と言うより、『課題が見つかった』という感じです」

 とは、試合後の渋野のコメントだが、それほど今大会のラフは深くて難しかったのである。

 また、渋野はこの日、パーオンしたホールが18ホール中、17もあった。つまり、惜しいパットをかなり外したということになる。こちらが見た限りでも、3~4mのパットを4、5回は外していた。

 14番でバーディーパットを外すと、"シブコ・ファン"のオジさんのひとりが「いい加減、バーディーパット、入れてみ~や」と、苦笑と溜息をミックスしたようダミ声を飛ばし、周囲の笑いを誘っていた。その声が届いたのか、続く15番、16番と、渋野は連続バーディーを決め、スコアを通算1アンダーとした。

 名物ホールの最終18番(パー5)では、渋野は同組の葭葉とともに池越えの2オンにチャレンジ。グリーンには乗らなかったものの、見事に池越えを成功させ、ロングホールのコース脇を立錐の余地なく埋め尽くした大ギャラリーから、万雷の拍手を浴びていた。

 渋野が通算1アンダーのまま18番をホールアウトすると、そのタイミングで隣の10番ホールに最終組が現われた。

 畑岡を追うフォン・シャンシャンがそこでバーディーを奪ったのに対し、逃げる畑岡は短いバーディーパットを外してパー。畑岡は通算15アンダー、フォン・シャンシャンが通算11アンダーと、2人の差は4打差に縮まった。残り8ホール、試合の行方はまだわからない。

 11番のパー3。フォン・シャンシャンは勝負と見たのだろう。バーディーパットを入れる気満々で強く打った。しかし、そのパットはかなりオーバーして、返しをも決めきれずボギーにする。

 12番でバーディーを決めた畑岡が16アンダー、フォン・シャンシャンが10アンダーで迎えた14番パー5。ティーショットをラフに入れた畑岡はボギーで、フォン・シャンシャンはバーディー。その差は再び4打差に縮まった。残りは4ホール。まだまだわからない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る