【木村和久連載】ゴルフと車の運転。その引退時期を考察してみる
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第205回
高齢者の自動車運転による交通事故のニュースが連日のように報道されています。この問題、かなり深刻です。突き詰めていくと、ゴルフの行き帰りの運転にまで飛び火しそうな気がしています。
まず、車の安全運転問題について考えてみます。
自動ブレーキが装備された車なら、急発進や急な加速、さらに衝突などがある程度防げると聞いています。そして、これから販売される車のほとんどは、自動ブレーキシステムが標準で装備されるそうです。
じゃあ、安心ですね......というわけにはいきません。
なぜなら、70歳以上の方が全員、新車を購入するとは思えないからです。仮に同居する息子夫婦や娘夫婦が新車を買ったとしても、もはや"お年寄り"である父親や母親に運転させるでしょうか?
息子曰く、「親父に運転させるのは、危なっかしいなぁ~。(新車に)キズとかつけられたらたまんないしなぁ。じゃあ、親父には車庫の奥にある古い車を運転してもらおう」といった感じになるのではないでしょうか。
そうなると、世の中のすべての車に自動ブレーキが装備され、その車が老人に行き渡るまでには、10年以上はかかるんじゃないですか。
ところで、スバリ、免許返納は何歳ぐらいがふさわしいと思いますか?
宮城県に住んでいた私の伯父さんは、88歳ぐらいまで車を運転していました。ただ、それは交通量が少ない地方だからできたわけで、都会ではたぶん無理だったと思います。
自動ブレーキシステムが今より進化し、それがすべての車に装備されたとしても、私は85歳ぐらいが限界かな、と見ています。あるいは、80歳か。はたまた75歳か。そこらへんが、免許返納時期ではないでしょうか。
一般的に75歳以上の免許更新には、高齢者講習に加え、講習予備検査(認知機能検査)も課されるそうです。つまり、行政側が想定している免許返納の推定年齢は75歳ということなのでしょう。
とはいえ、東京都における75歳の免許返納率が約8%、地方はさらに少なくて約4%だそうです。地方は車が必需品ですから、なかなか免許返納には応じられないみたいですね。
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