【木村和久連載】プロとアマでは、使っているクラブがまったく違う (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 さて、その"当たらない"クラブですが、プロ使用ということで大々的に宣伝しますよね。しかも、有名プロが使って優勝したとなると、やはりイメージがいいですから、「使ってみたい」とアマチュアは思うわけです。

 ただ、そういった男子プロが使用するクラブは、いつしか顧客が離れて、宣伝も減少していきました。潮目が変わったのは、女子プロがドライバーのCMに出るようになってからです。

 昔はジャンボ尾崎選手を筆頭に、飛ばし屋のプロがCMに登場し、アマチュアの興味を引きました。しかし、そのジャンボ選手も年齢を重ねてさすがに衰えて、なかなか勝てなくなりました。

 そこでメーカーは、ジャンボ選手の代わりに、女子プロの宮里藍選手をCMキャラクターに起用します。これが功を奏して、ドライバーは「以前よりも売れた」というから驚きです。

 要は、男子プロに比べて女子プロのほうが、ヘッドスピードが遅く、男子のアマチュアと同じくらいになります。人によっては女子プロのほうが、アマチュアよりもヘッドスピードが劣る場合もあります。にもかかわらず、アマチュアよりも女子プロのほうが飛距離は出る。ということは、「きっと、そのドライバーの性能がいいからだ」ということになって、売れたのです。

 それからは、多数の女子プロがCMに登場。男子アマチュア向けにドライバーを宣伝する、という現象が起こって、それが現在まで続いているのです。

 そうして、そんなCMにつられてアマチュアゴルファーがドライバーを購入します。でも、「あんな小柄の女子プロが250ヤード飛ぶんだから、オレも......」とマン振りしてみると、せいぜい220ヤードがいいところ。いったい、この30ヤード差は何なのでしょうか?

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