【木村和久連載】リゾートコースでは、どうして叩いてしまうのか? (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 翻(ひるがえ)って、古いコースや手作りコースも叩く説があるのですが、それはどうしてでしょう?

 以前、小樽カントリー倶楽部の旧コース()に行ったことがあるのですが、すごく叩きました。距離はさほどないのですが、フェアウェーがうねりまくっていて、ボールが思った方向に飛びませんでした。
※1928年創設。北海道最古のゴルフコースと言われる。

 我々は通常、きれいに整備されたフェアウェーでゴルフをしています。これは、メンテナンススタッフがフェアウェーの芝を何センチにと、きれいに刈り込んでくれているからです。

 例えて言うと、レースの前日、新聞紙を床に敷いてVゾーンをきれいにお手入れしているレースクイーンみたいなものですか。最近は、まったくツルツルの子もいるそうですが、それじゃあ、ゴルフはできません......って、そこはコースじゃないから。

 それが、古いコースになると、ゴルフ発祥当時の面影というか、簡単に言うと芝は伸び放題、ほったらかしに近い状態です。Vゾーンの管理を怠っているレースクイーンは出場できませんよぉ~......って、それもまた違う話だから。

 古いコースが管理を怠っているのは、むしろ、そのほうがゴルフの始まりの頃みたいで、「味わい深い」となるからです。

 昔のコースはすべて人力で作っていました。フェアウェーも勝手にうねっており、毎回さまざまなライと向かい合わねばなりません。

 そのうえ、グリーンがほんと小さい。なおかつ、難易度を上げるためか、申し合わせたかのように砲台グリーンになっています。だから、なかなかナイスオンしないのです。

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