ゴルフ界が「視聴者からの指摘は受け付けない」新ルールを急いだわけ
まもなく迎えるニューイヤーから新たに施行されるルールが、R&A(英国ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)から発表された。
"レキシー・トンプソン・ルール"とも言われる、このルール改正は2点。実際のルール規定にはないのだが、「大会中、視聴者からの電話やメールによるルール違反の指摘は取り上げない」ことと、「選手が違反に気づいていなかった場合は、スコア提出後でも"スコア誤記"のペナルティーは科さない」ことが、ローカルルールとして公示され、米PGAツアーなど世界の主要ツアーでも採用されることが決まった。
そもそもこの改正は今年4月、女子メジャーのANAインスピレーション(カリフォルニア州、ランチョ・ミラージュ)で起きた出来事に端を発する。最終日にトップを独走していたレキシー・トンプソン(22歳/アメリカ)に、突如"4打罰"が科せられたことだ。
視聴者からの指摘で4打罰を科せられたレキシー・トンプソン ペナルティーの理由は、前日のプレーで「トンプソンがグリーン上でマークしたボールを戻す際、わずかに位置が違っていた」と視聴者から指摘があり、競技委員が改めてビデオで確認すると、確かに位置が違っていたからだった。そのため、「誤所からのプレー」で2打、そしてすでにスコアを提出後だったため、「過少申告」の2打が加えられ、合計"4打罰"が科せられた。
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