韓国の元祖美女ゴルファーが「日本に拠点を構えよう...」と思った理由 (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 さらに、ユン・チェヨンのメインスポンサーは、生命保険業や証券業などを営むハンファ(韓火)グループ。プロ野球の球団も抱えている韓国10大財閥のひとつから、万全のサポートを得ている。ちなみに、今季日本女子ツアーで賞金ランキング2位になったイ・ミニョンや、米女子ツアーでプレーする野村敏京(はるきょう)らも、ハンファ・ゴルフ団の一員。彼女たちもゴルフに関わるさまざまなサポートを受けている。

 そうした恵まれた環境にあれば、わざわざ異国の、それも慣れない環境でプレーする必要はない。また、女子ゴルフ界で言えば、30歳にもなればベテランである。その歳になって新たな挑戦を試みることには、不安が大きかった。このまま韓国でプレーしていれば、この先まだ何年かはプロとして第一線でやっていけることを思えば、なおさらだ。

 だが一方で、ユン・チェヨンは韓国ツアーで戦うことにも物足りなさを感じ始めていた。プロデビューした2006年から2016年まで常に高いレベルを保持し、一度もシード落ちはなかったものの、10年間も同じ場所で戦い続ける中で、「徐々にモチベーションが低下していた」という。

 そんなとき、彼女に刺激を与えたのが、前述した2016年のヤマハレディース葛城での戦いだった。

「あのとき、多くのギャラリーの中でプレーした楽しみと興奮を、もう一度味わいたいと思っていました」

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る