【木村和久連載】ゴルフ場の落とし物&忘れ物には「ドラマ」がある! (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ゴルフクラブと言えば、以前こんなことがありました。誰かのサンドウェッジをキャディーさんが間違えて私のバッグに入れてしまい、それを知らぬまま、私は家に帰ってしまいました。もちろん、クラブ確認を怠った自分も悪いのですが......。

 とにかく、家に帰るや、バッグの中には知らないクラブが入っていたわけです。それで、まずはラウンドした仲間に連絡を取ってみると、知り合いが私のクラブを持っていました。これでまあ、ひと安心です。

 ただ、いざ交換しようという話になるや、なぜか「今度、会ったときで~」といった流れになってしまいました。要するに、クラブ1本をわざわざ送り合う風習なんて、日本にはないんですよ。

 だいたい、1本のクラブをどうやって包んで、どう送るのか? やったことがないからわからないし、運搬の途中でクラブが折れたりしたら嫌ですしね。実際のところ、保険に入っているからいいんですけど、結局いろいろな不安要素があって、相互に送り合うことをしなかったのです。

 ちなみに、ゴルフクラブの保険は微妙なシステムになっています。10万円のドライバーが運搬中に折れた場合、10万円を払っていただく――と、普通はそう思うでしょう。

 ところが現実には、「これは購入当時10万円のドライバーですが、すでに購入されて5年が経過していますね。そうなると、価値としては5万円以下ですが、それでよろしいでしょうか」と、保険会社は言ってきます。

 それに対して、こちらは「お金の問題じゃない! 保険なんだから、同じブランドの同じスペックのドライバーを持ってこい!」と反論するわけですが、保険会社がそんな気前のいいことはしません。ゴルフクラブの保険なんて、思ったより甘くないですから、そこは気をつけましょう。

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