谷原秀人効果か? マスターズとは一変、松山英樹がノビノビしていた (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 2日目のフォアボール。それぞれが自分のボールでプレーして、どちらかいいほうのスコアを採用するのだから、本来はスコアがずっと伸びていくはずである。ところが、出だしから松山のティーショットが大きく曲がって、谷原がパッティングを決められず、4番でボギーを喫して後退した。

 以降、プレーするふたりからは笑顔が消えて、ともにややうつむき加減でコースを歩いていたが、7番パー5で、松山が残り200ヤードをピンハイ5mに2オン。これを沈めてイーグルを奪うと、大きく流れが変わった。

 合図となったのは、イーグルを決めた松山に対して、谷原が鼓舞して言った「よぉーし、ここから元気出していこう!」という言葉だった。そこから、ふたりにも笑みが戻って、谷原のショットも冴え渡り、4ホールで5つもスコアを伸ばす快進撃につなげた。

 松山が言う。

「(谷原の存在は)すごく心強かったし、(谷原には)自分にないものがあった。調子がよくない中でも、ショートゲームで拾っていくところがすごかったし、チームとなって回ってみると、頼もしい限りだった」

 相変わらず、自らのプレーについてはなかなか満足していなかった松山だが、谷原と組んで回ったことは大きな経験となったのではないだろうか。彼から得たもの、彼のしぶとさを目の当たりして学んだことは、決して少なくなかったに違いない。

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