「試合に出れば勝つ」状態の松山英樹。これがマスターズ週ならば... (3ページ目)
その理由は、「思ったショットが打てていないから」だった。さらに松山はこう続けた。
「こんなところでは納得できない。もっともっと練習して、自分の思ったショットを打ちたい。その結果、勝てなくても、僕はそっちのほうがいい」
結果よりも、ショットのクオリティーを重視する松山。当時、彼のそうした考えには少し疑問を抱いたけれども、それが松山の本音なのだ。実際、クオリティーをこだわることによって、今の結果につながっているのだろう。
松山が語る。
「(プレーオフの)ドイツバンク選手権以降、ショットは変わっていないけれど、少しパットがよくなった。それが、好調の要因。パットが決まれば、優勝争いに加わっていける。そうして、自信が生まれたのだと思う」
4位に終わった全米プロ選手権の最終日、あのパットが決まっていたら、という場面が何度もあった。おそらく、それが決まっていれば、また違った展開になっていただろうが、結局決められず、勝利したジミー・ウォーカー(37歳/アメリカ)には及ばなかった。
松山は、そのパットが決まっている。それが、今の強さだ。
「いいストロークができている」と松山が言う。もちろんそうなのだが、重圧の中でそのストロークを遂行できる強さを身につけたことが、本当の強みであり、今の好結果を生み出している要因だ。
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