優勝争いの「不安」にもがく松山英樹に、J・デイがかけた言葉 (3ページ目)
今回は勝ちにつながらなかったものの、マスターズ以降、松山も自分なりに“不安解消”へ試行錯誤を繰り返し、着実に“進化”しているように感じた。
「勝つためには、かみ合うプレーが1日だけじゃなく、2日目、3日目と続かないとダメ。それなのに、最終日はまったくうまくいかなかった。緊張感の中で、どうやってうまく打てるのかわからない。それでも、デイと回って(自分に)足りないものが明確になった。もちろん、それ(課題や問題)をどうやって自分に置き換えて克服していけるか(が重要)、なんですけど……」
現在、松山は24歳。28歳のジェイソン・デイにしても、最初から自分の気持ちを落ち着かせ、プレッシャーのかかる舞台でうまく対応してプレーできたわけではない。世界ランキング1位になった現在でも、それが毎回、いい方向に行くとは限らない。
左に池が広がる最終18番パー4。ジェイソン・デイは、2番アイアンで打ったティーショットのボールがフェアウェーに落ちると、ようやく重圧から解放された。ティーグランドから駆け下りたジェイソン・デイは、松山の肩を叩いて何か話しかけた。そしてそのまま、傾きかけた太陽に向かって、ふたりはしばらく並んで歩いていた。
その姿を見て、ふたりで何を話していたのか、ラウンド後の松山に聞いてみた。すると、彼は「内緒です」と言って笑った。
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