優勝争いの「不安」にもがく松山英樹に、J・デイがかけた言葉 (2ページ目)
それぞれ、ほぼ同じような言葉を発している。どうやら松山は、優勝を争うラウンドを前にすると、大きな"不安"を抱えてしまうようだ。それは、大舞台だからこその緊張感なのか、誰しもが受ける重圧なのか、いずれにしても、その不安を解消する方法を見つけられていない、というのが現状だろう。
ところで今大会、そうした不安に苛(さいな)まれ、気持ちが落ち着いていなかったのは、松山だけではなかった。松山と同組で回った首位のジェイソン・デイも、最終日の朝はとてつもなく緊張していたという。
「今朝は、ものすごく重圧を感じていた。おそらく、これまでの試合で一番大きかったかもしれない。妻にも、そう話した。これまで、僕が3日目を終えてリードしていたのは、4回ある。そのうち、3回は勝っている。だから余計に、『負けられない』というプレッシャーがかかった。でも『負けられないから、絶対に弱気なプレーだけはするまい』、そう誓ってプレーした」
そうしてジェイソン・デイは、4打差のリードがありながらも、アグレッシブに攻めた。前半はノーバーディー、2ボギーと振るわなかったが、後半は3バーディー、ノーボギーと立て直して、逃げ切り優勝を飾った。
その傍らで松山は、奇しくもマスターズと同じ7位タイに終わった。
「スコアを伸ばせなかった2日目、下を向いて歩きすぎた。だから、決勝に入ってからは、悪いプレーがあっても『絶対に下を向かない』、そうがんばって歩いたつもり。実際にできていたかどうかわからないですけど......、そこだけは(自分を)評価したい」
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