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今季2度目のトップ10。石川遼が得た優勝までの「正しい距離」 (3ページ目)

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 迎えた最終日、石川の表情は引き締まっていた。しかし「自分がもし優勝争いに加わっていたら、優勝を目指してやりたい。(優勝に)届かないと思ったら、それなりのプレイがある。前半のプレイ次第ですね」と語っていた彼に、気負いやプレッシャーはなかった。そして、1番でバーディーを奪うと、3番でもバーディーを奪って、一度は首位に並んだ。前半を終えても、首位から2打差以内に10人以上がひしめく大混戦となり、その中にいた石川にも優勝のチャンスはあった。が、あと一歩及ばなかった。

「(4日間を通して)こんなにひどいプレイがあっても、アメリカでこんな(いい)順位で終えられたのは初めて。(スイングの)メカニック的には満足がいかない部分はかなりありますけど、ゴルフになっていたな、と思います。今までの自分だったら、もっとスイングに悩みながら回っていたと思うけど、そこにこだわり過ぎないでラウンドできた。何にしても、今回トップ10に入れて、優勝というものを近くで感じることができた。30位前後で予選を通過しても、ここまで(優勝争い)こられることがわかった。これからも、こういう感じのゴルフを続けていきたい。常に予選通過できるような選手になって、30位以内に入る回数を増やしていき、そこから今度は20位以内に入る回数を増やしていけば、だんだん(優勝も)近づいてくると思う」

 米ツアーにおける立ち位置というものを、きちんと把握している石川。まずは自分の目標を果たせたことに満足し、1度の優勝争いで浮かれることはなかった。だが、最終日の終盤、「最後、バーディー、イーグルでいけば、優勝も狙えると思った」という石川の、どん欲かつチャレンジングな精神は失われていない。頂点までの確かな感覚をつかんだ彼が、チャンスを手にする日は決して遠くないはずだ。

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