【ゴルフ】メジャー制覇はならずも、高まる松山英樹への期待

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

国内メジャー第1弾の日本プロ選手権に臨んだ松山英樹。3日目には2位に4打差をつけて首位に立ったが......。国内メジャー第1弾の日本プロ選手権に臨んだ松山英樹。3日目には2位に4打差をつけて首位に立ったが......。 日本プロ選手権最終日、初のメジャータイトルに向けて、単独首位でスタートした松山英樹だったが、9打差あった金享成(キム・ヒョンソン)に逆転を許し、2位タイに終わった。入ればプレーオフという18番のパーパットを外すと、ギャラリーのため息とともに天を仰ぎ、直後に行なわれた囲み取材は力なく「本当に悔しい」と口にした。

 会見等では、よほど琴線に触れる話題でない限り、ぶっきらぼうな物言いに終始する松山が、この日は丁寧に言葉を尽くしていた。

「(初の単独首位スタートに)前日は緊張するかもしれないと思っていましたが、自分自身に硬さはなかったですね。昨日ショートパットが思うように入っていたので、1番から簡単に打ってしまった。それから、ボギーが止まんなくなっちゃった」

 出だしの1番で50cmのパーパットを外すと、前半だけで4つもスコアを落として4アンダーに後退。15番で10mのロングパットを決めて、再び首位と並んだが、最後にパーセーブに失敗した。

「プレーオフで勝とうと思っていた。最後のパーパットは上りの微妙なラインで、切れるか切れないかで迷いました」

 そのとき、進藤大典キャディーからは「真っ直ぐいこう」と進言されていた。
「でも、自分の中ですごく不安があって、ちょっと右を向いたら右に抜けました」

 シーズン開幕前の松山は、パッティングに大きな不安を抱えていた。昨年の全英オープン予選や、マスターズ最終日に大叩きして以来、1年間試行錯誤を続けてきたが、いざ開幕を迎えても不安は拭い切れなかった。開幕戦の練習ラウンドではキャディーバッグに5本ものパターを入れ、その日最もフィーリングの合うパターを選択していた。

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