2012.06.09

【ゴルフ】強靭な選手を次々に輩出する、韓国・国家代表システムの全貌

  • 慎 武宏●取材・構成 text by Shin Mukoeng
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

近年、幼い頃からゴルフを始める子どもたちが増えている韓国。彼らのほとんどが国家代表入りを目指している。検証・韓流ゴルフ「強さの秘密」
連載◆第2回

 今でこそ世界各地で韓国人ゴルファーたちが奮闘しているが、韓国ゴルフの歴史はそれほど深くない。韓国にゴルフが持ち込まれたのは1900年頃で、1921年には国内初のゴルフ場も作られたが、韓国ゴルフ協会が発足したのは1956年。プロ化して男子の韓国プロゴルフ協会が出来たのは1968年で、女子プロゴルフ協会に至っては1988年と、発足してから24年しか経っていない。

 にもかかわらず、急速な進化を遂げられたのは、パク・セリの登場が発端だった。1998年にプロ入りした彼女が、同年のアメリカ女子ツアーでいきなり大活躍。全米女子オープン、全米女子プロ選手権とメジャー2大会を制覇し、韓国国内で空前の”ゴルフ・ブーム”が巻き起こったのだ。それをきっかけに、多くの子どもたちもゴルフを始めた。

 ちなみに、シン・ジエ、チェ・ナヨン、イ・ボミら若い世代を、韓国では『パク・セリ キッズ』と呼んでいる。この世代は、小学生からゴルフを始めた選手が多く、パク・セリの活躍に刺激を受けてクラブを握ったという選手が少なくない。

 ただジュニアの競技人口は、日本と比べてまだまだ少ない。日本ゴルフ協会のジュニア会員数は1万4000人ほどと言われているが、韓国ゴルフ協会に登録されている小学校から高校生の選手数は、2900名あまり。日本の4分の1にも満たない。それでもなぜ、韓国ゴルフ界から優秀な選手が輩出されるのか。韓国代表の指導を担ってきたハン・ヨンヒ総監督が解説する。

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 韓国ゴルフは近年、確かに飛躍的な成長を遂げています。特に最近は、ゴルフを始める時期が低年齢化し、小学校低学年はおろか、幼稚園からゴルフを始める子どももいるほど。私は20歳でゴルフを始め、28歳でプロになり、32、33歳の頃に選手としてピークを迎えましたが、昨今の韓国人選手たちは、20歳くらいでプレイ歴10年以上の”ベテラン”になるのですから、末恐ろしい限りです。

 なにしろ、ゴルフはその経験値が、上手さやスコアにつながっていくスポーツ。早くからゴルフを始め、幼い頃から経験を積んできた彼らの伸びしろは、無限大だと言えるでしょう。