【男子ゴルフ】松山英樹の底知れぬ粘りを発揮させた阿部監督の指令

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

粘り強いプレイで見事に予選突破を果たした松山英樹。粘り強いプレイで見事に予選突破を果たした松山英樹。 マスターズ2日目......。それは、予選通過か予選落ちかの、分水嶺(ぶんすいれい)の日である。誰もがピリピリと神経を尖らせて戦っていた。

 この日、石川遼は午前10時13分、松山英樹は12時58分にスタートした。およそ2時間40分のスタート時間の差があった。ちょうど石川が最終18番ホールでプレイしているときに、松山は隣り合わせの9番ホールでプレイしていた。

 松山は8番を終えて通算2アンダー。再びコース内の大きなスコアボードの上位に名前が載ったばかりだった。ところが、この9番ホールでトリプルボギーを叩いてしまったのである。

「ちょっと冷静さを欠きました(笑)」

 2打目からショットが乱れ、3打目のアプローチも失敗。グリーン手前のバンカーに落として、結局「7」。大きくスコアを落とした。

 普通なら、そこで完全に流れが途切れてしまう。そのまま後半のアーメンコーナー(11番~13番)で崩れるという展開になるのだが、松山の場合は違った。

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