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【ワールドカップ】アルゼンチン人はダラスに大集結 メキシコ人は日本を応援...各国のサッカー愛のかたち (3ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Takeo Goto

【メキシコのサッカー愛】

 メキシコ人たちにとっては外国チーム同士の試合だというのに、どうしてあそこまで盛り上がれるのだろうか?

 試合当日は、昼間から日本のユニフォームを着ているメキシコ人を数多く見かけたが、試合が始まると「ハポン、ハポン」と声を出してサポートしてくれたし、日本のパスが通るたびに「オーレ」の声がかかった。

 メキシコ人の多くがもともと日本に対して親しみを持っており、工業化が進むモンテレイには進出している日本企業も多い。そんな背景があったうえに、日本代表が見せた美しいパス・サッカーも彼らの心をとらえたのだろう。

 メキシコのようなサッカーの伝統を持つ国(=サッカー国)では、一般の人たちでも結果だけではなく試合内容をしっかり見ている。「よいサッカー」を求める気持ちが強いのだ。その点で、守備的に戦うチュニジアよりも、パスをつないで攻める日本が彼らに認められたのだ。

 最初に書いたように、僕は深夜バスに乗って移動するため、チュニジア戦が終了してからすぐに地下鉄の「エクスポジシオン」駅に向かった。バスターミナルまで移動するためだ。

 駅が混み合っているかと思っていたが、実際にはスムーズに乗車できた。車内でも座って移動することができた。そして、駅構内でも、車内でも、メキシコ人たちはやはり「ハポン、ハポン」と盛り上がり続けていた。

 メキシコ人たちは本当にサッカーを愛していることがよくわかる。メキシコという国は、まさに世界有数のサッカー国なのだ。日本代表の快進撃に、日本国内もずいぶん盛り上がっていたと聞くが、「サッカー国」度としては日本はまだまだメキシコには遠く及ばない。

 なにしろ、メキシコは過去2度もW杯を開催し(1970年、1986年)、世界のサッカー史に残るペレ(ブラジル)とディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)が優勝トロフィーを掲げた、サッカーの神が祝福を与えた国なのだから......。

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著者プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7700試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

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