【ワールドカップ】グループリーグのMVPを現地記者が独自選定 メッシ、ロナウドの「奇跡」が見逃せない (5ページ目)
しかし、その後もポルトガルは攻め続け、ロナウドにもチャンスは再三回ってきた。後半39分には順調に2ゴール目をマーク。話題性でメッシに後れを取るわけにはいかないと、ハットトリックを目指して、躍起(やっき)になってゴールを狙った。決定機は何度も訪れたが、不運な判定にも泣かされた。フル出場を果たしながら結局、ゴールは2点で打ち止めになった。
悔しそうな表情を浮かべるロナウドに、哀愁を覚えたのは筆者だけではないはずだ。けっしてスタンドプレーに走ったわけではない。メッシとの違いも鮮明だった。相手ボールになるとボール奪取に関与せず、足をまったく使おうとしないメッシに対し、ロナウドは守る。歯を食いしばって走る。献身的な姿勢を貫いた。ハットトリックを達成させてやりたかった、とは偽らざる感想だ。
とはいえ、老体に鞭打っている感じでもない。痛々しさはまったくない。41歳の身体にはいまだに張りがある。奇跡を見せられている感じさえする。
林陵平のフットボールゼミ #108
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
浅田真樹 (あさだ・まさき)
フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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