【欧州サッカー】ロベルト・バッジョを表紙にすれば即完売 ファンタジスタの呼称を定着させた「銭になる男」
世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第50回】ロベルト・バッジョ(イタリア)
サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。
第50回は「イタリアの至宝」ロベルト・バッジョだ。彼の足によって魔法をかけられたフットボールファンは数知れず。度重なるケガや監督との確執、1994年アメリカワールドカップ決勝のPK失敗といった悲劇のストーリーも、彼を唯一無二のヒーローへと押し上げた。
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ロベルト・バッジョ/1967年2月18日生まれ、イタリア・カルドーニョ出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 筆者がサッカー専門誌の編集長を務めていた1990年代当時、ロベルト・バッジョはまさに「キラーコンテンツ」だった。
彼を表紙に起用したり、特集を組んだりすると完売、ほぼ完売が相次ぎ、とある書店から「すべての在庫を買い取れますでしょうか」との問合せもあった。決して盛ってはいない。事実である。
身内に「バッジョばかりで芸がない」と批判され、読者の方からは「ユベントスの広報誌か」とお叱りもいただいたが、編集長は売り上げも気にしなくてはならない。バッジョ推しを貫いた。
顔面偏差値が高く、憂いを漂わせた瞳は女性ファンに厚く支持された。流麗なテクニックでゲームを創り、自らゴールも決めるファンタジスタは、まさしく「銭になる男」だった。老若男女を問わず、バッジョの人気は非常に高かったと記憶している。
「ロベルト・バッジョ」という名前が日本に伝わってきたのは、セリエAが日本でレギュラー放映される3〜4年前だったろうか。
「フィオレンティーナに美しいゲームメーカーがいるらしい」
当然、さまざまなルートからVTRを取り寄せる。いったい、どのような選手なのか。文字情報どおりなのか、過大評価なのか、報じるうえでチェックしなければならない。
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著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。


















