【欧州サッカー】ロベルト・バッジョを表紙にすれば即完売 ファンタジスタの呼称を定着させた「銭になる男」 (4ページ目)
【選手生活が危ぶまれるケガの数々】
ファンタジスタの呼称が定着したのは、おそらくバッジョが初めてではないだろうか。類(たぐい)まれなテクニック、視野の広さなどが幻想的で、ほかの選手とは一線を画していたからに違いない。
もちろん、ハードワーカーは必要だ。先発11人がすべてクリエイティブなタイプではゾッとする。ただ、プレー強度を意識するあまり、近代フットボールは「華」が咲かなくなってきた。
プロスポーツにはエンターテインメントの側面もある。結果を追い求めるばかりでは見る者が納得せず、フットボールの魅力もいずれ損なわれていく。
守備重視のセリエAにおいて、相手を削ることをいとわない環境で、バッジョは右ひざ十字じん帯、および外側じん帯、さらに膝蓋骨骨折、半月板損傷などに甚大なダメージを負った。彼がプレーしていた当時の医学水準では、選手生活が危ぶまれるほどの重傷に苦しんだ。
しかし、そのたびに立ち上がり、世界中のファンを幻想的なプレーで魅了した。スピードに乗ったドリブルから華麗なステップで相手をかわし、さらに緩急のフェイントを入れるとGKは尻もちをついた。ワンタッチ、ツータッチでボールを遊ばせながら、これ以上にないスルーパスで決定機を創出した。
バッジョの一挙手一投足には、フットボールの魅力が満載されていた。「ファンタジスタ」という表現に、最も似つかわしい。
著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。
【図】FIFAワールドカップ2026出場国 フォーメーション&メンバー
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