【欧州サッカー】GKオリバー・カーンの「飛び込む勇気」は持って生まれた才能 恐怖心を克服する方法は? (2ページ目)
【パワー頼りのスタイルではない】
「たとえば、手の選択がいい例です。以前も、GKから見て自分の右側に飛んできたボールに対して右手を使って防ぐ場合に『順手』、左側に飛んできたボールを右手で防ぐ場合を『逆手』という表現を使わせてもらいましたが(左手の『順手』『逆手』はその逆パターン)、カーンのプレーを見ると、その手の選択がすごく正確かつスムースで、左右のクオリティの差がありません。
一般的に、GKにとっては利き手ではないほうの『逆手』が最も難しいテクニックとされていて、たとえば右効きの僕の場合は、左手の『逆手』を使いこなすのが難しいと感じることがありました。でも、カーンはどちらの手でも『順手』と『逆手』を巧みに使い分けていて、しかも常に正しい選択をしています。
また、際立っているのがパワーですね。逆モーションの時の地面を蹴るパワー、あるいはボールを弾くパワーなど、とにかく一つひとつのテクニックに力強さを兼ね備えているのも大きなストロングポイントだと感じます。
かといって、パワーだけに頼っているわけではありません。よく見てみると、クロスボールの対応で前に出るのが難しい時には素早くポジショニングの修正もしていて、次への備えもできています。そういった小まめな修正を怠らないからこそ、ラインギリギリのところでシュートを防ぎきることができるわけです」
南氏が指摘してくれたように、確かにカーンのプレーを見ると、迫力満点のビッグセーブ以外に、きめ細やかなポジション修正や正確な判断といった、なかなか目につきにくいような繊細なプレーも見受けられた。
身長188cm──。
近代サッカーのなかで、カーンは決して長身とは言えない。それでも世界のトップ・オブ・トップに上り詰めることができたのは、その繊細な部分に理由があるのではないだろうか。
もうひとつ、南氏がカーンの特徴に言及してくれた。
「これはテクニカルな話とは少し違いますが、カーンの飛び込む『勇気』はとにかくすごいです。相手選手が恐怖を覚えるのではないかと思わせるような飛び込みで、気迫に満ち溢れています。絶対に顔をそらすようなことはありません。カーンの飛び込み方を見ていると、自分がケガをするかもしれないとか、そんな恐怖を少しも感じていないように見えます」
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