【欧州サッカー】デル・ピエロは降格するユベントスを見捨てなかった ファーガソンの誘いにも「申し訳ありません」
世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第47回】アレッサンドロ・デル・ピエロ(イタリア)
サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。
第47回はイタリアの名門ユベントスに19シーズン在籍し、クラブの象徴として人気を博したアレッサンドロ・デル・ピエロを紹介したい。ユベントスが八百長事件でセリエB降格となっても、彼はクラブから離れなかった。それが、今でもユベンティーノに愛されている理由だ。
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アレッサンドロ・デル・ピエロ/1974年11月9日生まれ、イタリア・コネリアーノ出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る イタリア代表が、苦しんでいる。
FIFAワールドカップ2026北中米大会のヨーロッパ予選では、アーリング・ハーランドとマルティン・ウーデゴールを擁するノルウェーに屈し、3月開催予定のプレーオフに出場権をかけることになった。
4度の世界制覇を誇るサッカー強国でありながら、2018年ロシア大会、2022年カタール大会もワールドカップ予選を突破していない。3大会連続で失態を演じると、イメージダウンは甚だしい。
かつて、イタリアは強かった。伝統の守備力はもちろん、流麗なテクニックでゲームをつかさどる選手たちが世界で人気を博した。ジャンニ・リベラ、ジャンカルロ・アントニョーニ、ロベルト・バッジョ、フランチェスコ・トッティ──。
アレッサンドロ・デル・ピエロも、そのひとりである。
1992年3月にパドヴァでプロデビューした当時、多くのメディアが17歳のデル・ピエロの「話し方」に苦言を呈していた。
「幼さが残りすぎている」
日本人の筆者には理解しがたい指摘だが、どうやら「スター候補生なのだから、男らしくあれ」とでも言いたかったようだ。現代社会ならハラスメントに該当するだろう。
ただ、ピッチでの彼は堂々と振る舞っていた。十分な経験を積んだ猛者を相手に、華麗なテクニックを披露する。身体ができていないため、激しすぎるチャージに倒されることも多々あったとはいえ、パスセンスと得点感覚は同世代の誰よりも秀でていた。
著者プロフィール

粕谷秀樹 (かすや・ひでき)
1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年
、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、 海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム 、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出 版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン 社)など多数。


















