検索

【プレミアリーグ】開幕3カ月の日本人評 三笘薫のプレーが窮屈に見えて、鎌田大地は「中盤の将軍」となった (3ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【田中碧がプレミアで成功するには】

 イングランドにわたって2シーズン目。田中碧(27歳)とリーズの関係は申し分ない。昨シーズンはプレミアリーグ昇格の立役者となり、選手間の信頼も非常に厚い。

 ただし、スピード、強度、精度、プレッシャーなど、チャンピオンシップ(実質イングランド2部)とプレミアリーグでは次元が違う。開幕から11節を消化し、途中交代も含めて8試合出場は及第点だろう。現在の田中は世界最高峰に適応すべく奮闘中だ。

 リーズが16位であえいでいるとはいえ、田中がその責を負うべきではない。この夏、強化担当セクションはプレミアリーグで戦えるだけのメンバーを揃えられなかったから。ダニエル・ファルケ監督(解任は時間の問題との噂も......)はポゼッションを軸に据えたいのだろうが、チャンピオンシップで通用したプランもプレミアリーグでは限界がある。

「相手からボールを奪う場合、相手をブッ飛ばして取ったほうが『こいつ、守備メッチャできるじゃん』となるわけで、イメージで言うと」

 田中は『U-NEXT』のインタビューでこう語っていた。開幕3カ月足らずでプレミアリーグの難しさを理解しつつある田中のイメージを、リーズ全体が共有すべきだ。

 一方、今季のパフォーマンスがすこぶるいいのは、クリスタル・パレスの鎌田大地(29歳)だ。オリヴァー・グラスナー監督によると、「2シーズン目を迎えて、プレミアリーグの水に馴染んできた」という。鎌田本人も「慣れと相互理解」を好調の理由に挙げ、自信を深めている。

 今シーズンのクリスタル・パレスは、日本代表のクレバーなMFを中心に回っていると言っていい。オープンプレーでは彼を経由してチャンスが創られ、セットプレーでは正確な右足がスリリングなシーンを演出している。さらに、プレスの強度を使い分けたり、さりげないポジションの修正でパスコースをさえぎったり、オフ・ザ・ボールの際の準備も怠らない。

3 / 4

キーワード

このページのトップに戻る