【プレミアリーグ】開幕3カ月の日本人評 三笘薫のプレーが窮屈に見えて、鎌田大地は「中盤の将軍」となった (2ページ目)
【遠藤航を起用しづらくなった理由】
特に、エストゥピニアン退団のダメージは大きい。彼を失ったことで、左サイドでの三笘は窮屈そうに映る。三笘と組む左サイドバックのマクシム・デ・カイペルやフェルティ・カドゥオールとの相互理解を深めるには時間が必要だろう。彼らは三笘が欲するスペースに進入してきたり、距離が遠すぎたり、まだまだチグハグなプレーも少なくない。
周囲の期待が大きいゆえに、三笘には常にハイパフォーマンスが求められる。無理で酷(こく)な注文だ。しかし、序盤戦の出来は悲しすぎる。一刻も早くベストコンディションを......。
そして、遠藤航(32歳)の所属する昨季王者のリバプールはブライトン以上に緊急事態だ。11節を終えて6勝5敗・勝ち点18は、首位アーセナルと早くも8ポイント差。リーグ戦で4連敗を喫し、カラバオカップ(リーグカップ)も4回戦で早期敗退した。
「シーズン前にいろいろなことが起きた。昨シーズンのようにうまくいかない」
フィルジル・ファン・ダイクは8月の段階で警鐘を鳴らしていたが、現状はキャプテンの不安を大きく上回っている。
なかでも、ルイス・ディアスのバイエルン移籍が全体のバランスを崩した。前線で相手ボールを追い続ける献身的なアタッカーがいたことで、昨シーズンまでは3列目と最終ラインの負担が軽減されていた。しかし今シーズンは、彼の「フィルター」がかからないことで失点が激増している。由々しき問題だ。
その結果、遠藤にもスポットが当たりにくくなっている。主導権を完全に握って逃げきりを図る際に切り札として重宝されてきたため、今シーズンのようなシチュエーションだと起用しづらいからだ。
また、アレクサンデル・イサク(ニューカッスル→)やフロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン→)といった新戦力に順応期間が必要であることも、遠藤にとって向かい風だ。獲得のために1億ポンド(約185億円)以上の巨額を投じた両選手のフィットを優先せざるを得ない。
しかし遠藤は一切、愚痴をこぼさない。常に万全の準備を整える「プロの鑑(かがみ)」だ。日本代表キャプテンが必要とされる時は、いずれ必ずやってくる。
2 / 4

