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上田綺世は従来の日本人ストライカーとどこが違うのか ブラジル戦逆転弾に続きハットトリック (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 昨今は「偽9番」「0トップ」と言われる、ストライカー以外のポジションの選手が最前線に配置されるのがトレンドになっている。そもそもブラジルも、サイド攻撃を得意とするヴィニシウス・ジュニオールの0トップだった。欧州王者スペインも本来は攻撃的MFのミケル・オヤルサバルがレギュラーを務め、ワールドカップ2大会連続ファイナリストのフランスもキリアン・エムバペが偽9番だ。

 そんななかで、上田のストライカーぶりは際立っている。

 2度のワールドカップを経験したFW大久保嘉人が、「日本人ストライカーで(注目している選手を)ひとりだけ名前を挙げるなら」という問いにこう答えていた。

「ひとりだけ名前を挙げるなら上田綺世かな。ストライカーとしてすべてが整っているでしょ。シュートもヘディングも強いし、体の使い方もうまいし、足も十分に速い。うらやましいくらいに揃っていると思うよ。もし強いリーグに入って活躍できたら、今までにない、日本サッカーの歴史に残るストライカーになるはず」

 ブラジル戦の上田のゴールは、プロローグにすぎない。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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