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サッカー日本代表との対戦が楽しみなブラジル国民 アンチェロッティ就任で代表人気も復活 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【新世代が才能を爆発的に開花】

 ただし、ブラジルの問題はもちろん監督だけではない。

 今回の遠征メンバーにネイマールは選ばれていない。ネイマールは10年にわたりブラジル中の期待を一身に背負ってきたが、人々の期待に応えることはできなかった。才能は間違いなくあった。しかしケガやピッチ外での論争、さらにメンタルの弱さが成長を抑えてしまった。

 ネイマールは長いこと代表で90分プレーしていない。2026年6月までに、彼が世界の舞台に立てるレベルに復活している可能性は、ほとんどないと考えられている。つまり、かつてペレ、ジーコ、リバウド、カカらが纏ってきた背番号10のカナリア色のユニフォームには現在、正式な持ち主がいないことになる。10番のいないブラジルは、本当のブラジルではない。

 誰がその後継者となるか。これはブラジルサッカー界が直面している問題である。ネイマールに可能性がないとなれば、若手こそが希望だとも言える。

 確かにこの2年ほど、ブラジルは新世代が才能を爆発的に開花させている。アメリカで開催されたクラブワールドカップでは、パルメイラスの選手としてプレーした18歳のエステヴァンが世界にその名を知らしめ、その後、優勝したチェルシーに移籍した。その少し前にブライトンからチェルシーに移籍したジョアン・ペドロも、今やロンドンのアイドルである。レアル・マドリードと契約し、ブラジルの才能あふれるサッカーの未来を代表するエンドリッキもいる。

 アジア遠征の代表メンバーでいえば、レアル・マドリードで輝きを放つヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴやアーセナルのマルティネッリ、トッテナムのリシャリルソンがそうだ。

 ブラジルは急速に生まれ変わりつつある。若い選手たちは新しいブラジルを築こうとしている。新生ブラジルにまだ明確なアイデンティティはないが、ひとつ確かなのは、今の若い選手たちの質の高さは前代未聞だということだ。これはアンチェロッティにとって何よりの朗報だろう。

 ブラジルのサポーターは何年も幻滅させられ、結果も美しさもないサッカーに疲れ果てていた。代表の試合でスタジアムは半分も埋まらず、テレビの視聴率も低下していた。だが今、セレソンは再びスタジアムを満員にし始めている。まだかつての熱狂はないにせよ、人々は自国の選手たちの活躍を見るために戻ってきている。

 韓国、日本との対戦も、多くの国民が楽しみにしている。

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