【ワールドカップ2026】予選で散ったスターたち(2)ジャンルイジ・ドンナルンマ(イタリア) ー 現代最高の守護神につきまとうただひとつの欠落
ワールドカップ2026 予選で散ったスターたち
第2回 ジャンルイジ・ドンナルンマ(イタリア)
世界最高峰の舞台であるワールドカップ。4年に一度、地球上で最も熱い視線が注がれるこの祭典には、「そこにいるはずのスターの不在」という切ない現実が常につきまとう。
FIFAワールドカップ2026北中米大会においても、多くのスター選手が予選で涙を飲み、ピッチに立つ夢を断たれた。なかでも、現役屈指のゴールキーパーであり、イタリア代表のキャプテンを務めるジャンルイジ・ドンナルンマの不在は、ファンにとってぽっかりと空いた穴のように感じられるだろう。
photo by Aflo
EURO 2020でMVPを獲得した現代最高の守護神
196cmという圧倒的な体躯と驚異的な反射神経、そしてシュートストップ能力。27歳となったジャンルイジ・ドンナルンマは、間違いなく現代フットボール界を代表するゴールキーパーのひとりである。
2015年、わずか16歳でミランのメンバーとしてセリエAデビューを飾り、イタリア代表の伝説的守護神であるジャンルイジ・ブッフォンの後継者としてその名を世界に轟かせた。その後パリ・サンジェルマンを経てマンチェスター・シティに移籍。数々のセービングでチームを救っている。
イタリア代表としても経験を積み上げ、チームを最後尾から統率する揺るぎないリーダーへと進化した。
その能力が最も輝いたのは、イタリアが優勝を果たしたEURO 2020だ。大会を通じて安定したセービングを披露すると、PK戦での活躍を含め、イタリアの欧州制覇の立役者となった。さらに、大会最優秀選手(MVP)に選出される快挙も成し遂げている。
繰り返された予選敗退の悲劇
しかし、圧倒的な個の実力とは裏腹に、ドンナルンマはワールドカップという舞台に縁がない。
2026年大会の欧州予選、イタリア代表は本大会出場を目指し死力を尽くして戦った。しかし、欧州プレーオフ決勝という最終関門で、PK戦の末ボスニア・ヘルツェゴビナに敗退。
この敗戦により、イタリアはなんと3大会連続でワールドカップ本大会出場を逃すこととなった。本大会出場18回、優勝4回を誇る強豪国としては屈辱的な結果となったこの試合後、ピッチ上で涙に暮れるドンナルンマの姿は、アズーリが抱える「ワールドカップの呪い」を象徴する光景として、世界中に報道された。
輝かしい経歴と「唯一の欠落」
ドンナルンマ個人のキャリアの輝きは眩いばかりだ。EUROでの栄冠、所属クラブでのリーグタイトルやUEFAチャンピオンズリーグ制覇など、手にしていないトロフィーはほとんどない。FIFA男子最優秀ゴールキーパー賞など個人賞も数多く受賞し、名実ともに世界トップの守護神となった。そんな彼にとって、ワールドカップはいまだ到達できない特別な場所であり続けている。
2030年、W杯への帰還を信じて
2026年大会の出場権を逃した直後、ドンナルンマはファンに向けて自らの悲痛な思いと、チームを再建するという強い決意をSNSを通じて語った。「イタリアを本来あるべき場所に導けなかった」という言葉は、キャプテンとしての彼の責任感の大きさを示していると言える。
ドンナルンマに多くのファンが期待するのは、4年後の2030年大会だ。経験と技術が最高レベルで融合した状態の守護神が、ワールドカップの舞台でファインセーブを連発してイタリアを勝利に導く。その光景を見られる日が来ることを、ティフォージたちは心待ちにしている。

