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【ワールドカップ2026】予選で散ったスターたち(3)アレクシス・サンチェス (チリ) ー チリの魂、永遠の「ニーニョ・マラビージャ」

  • text by Sportiva
  • photo by Aflo

ワールドカップ2026 予選で散ったスターたち
第3回 アレクシス・サンチェス (チリ)

世界最高峰の舞台であるFIFAワールドカップ。4年に一度、地球上で最も熱い視線が注がれるこの祭典には、「そこにいるはずのスターの不在」という切ない現実も常につきまとう。

FIFAワールドカップ2026北中米大会においても、多くのスター選手が予選で涙を飲み、ピッチに立つ夢を断たれた。今回は、南米チリ代表の黄金期を支え続けたベテランプレイヤー、アレクシス・サンチェスに焦点を当てる。

アレクシス・サンチェスphoto by Aflo

チリ代表躍進の原動力

アレクシス・サンチェスは、チリサッカー史上最も偉大な選手のひとりだ。169cmの小柄な体躯からは想像もつかないほど強靭なフィジカル、相手を翻弄する創造性あふれるドリブル、そして卓越したパスセンスと得点感覚。「奇跡の少年(ニーニョ・マラビージャ)」として、世界中に名を轟かせたサンチェスはセリエAのウディネーゼでのブレイクを経て、バルセロナやアーセナル、インテルといったビッグクラブを渡り歩き、数々のタイトルを獲得してきた。

チリ代表としては、コパ・アメリカ連覇(2015年・2016年)の立役者となり、長年チームの精神的支柱として君臨し続けてきた。特にコパ・アメリカ2015決勝(vs アルゼンチン)ではPK戦の最終キッカーとなり、ゴール中央にふわりと浮かせるチップキックを決めてチリに史上初のコパ優勝をもたらした。ピッチ上の献身的な守備、そして勝負を決めきる技術と強靭なメンタルは、多くのサポーターの心を捉えた。

世界の舞台で刻んだ足跡

サンチェスは、これまでワールドカップの舞台で二度にわたり、自身の力を証明してきた。2010年南アフリカ大会では全試合に出場。チリの躍進を支える攻撃の核となった。続く2014年ブラジル大会ではグループリーグで強豪スペインを破るなど、チリの強さを世界に示し、サンチェス自身も得点を記録。チームのベスト16進出に貢献した。

過去のワールドカップにおいて、通算8試合に出場して2ゴール。ただ、この数字以上にピッチで見せる圧倒的な存在感は、チリが南米の強豪として世界に認知されるきっかけとなった。

世代交代とチームの衰退

サンチェスにとって、今回のワールドカップへの道は過酷なものとなった。かつて南米を席巻したチリだが、近年はかつての輝きを失っている。アルトゥーロ・ビダルら黄金世代の主力選手たちが年齢を重ね、スムーズな世代交代が進まなかった結果、チーム全体がスケールダウン。サンチェス自身も30代後半を迎え、ケガによる離脱やコンディション不良に苦しむ時期が続いた。チームは予選を通じて白星を重ねることができないまま、大陸間プレーオフ進出の可能性も消滅。予選最下位に沈んで3大会続けてワールドカップ出場を逃した。

37歳のサンチェスは、セビージャでのプレーを継続しているものの、次のワールドカップは現実的な目標から遠のいてしまったように見える。しかし、彼が培ってきた経験や勝利へのメンタリティは、チームにとってかけがえのないものだろう。今後は、チリサッカー界の再建に向けた現役を続行するか、あるいは指導者としての道を歩む可能性も囁かれている。

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