【欧州サッカー】サッカー日本代表の強化に不可欠なセンターバック 識者が活躍を期待する3人の選手 (2ページ目)
高井はJリーグで実績を積み、すでに日本代表にも選ばれている。身長192cmで、少なくともJリーグでは高さが武器になっていたし、猛者が集うプレミアリーグでも弱点にはならないだろう。何より、そのキックの精度は群を抜いている。世界では、同年代のパウ・クバルシ(バルセロナ)、ディーン・ハイセン(レアル・マドリード)、ルーカス・ベラウド(パリ・サンジェルマン)などはビルドアップが巧みで、「後方の司令塔」と言われるCBだが、彼もその系統のひとりだ。
シーズン開幕はケガ(足底腱膜炎)もあって出遅れるかもしれない。あらためて強靭な肉体を作るところから始めることになりそうだが、試合出場を重ねられることができたら、来年の北中米ワールドカップでは日本代表の主軸になるだろう。日本サッカー史上、唯一無二のCBになれる逸材であることは間違いない。
もうひとり注目したいのは、レアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)のBチームであるサンセに新たに期限付き移籍で入団することになったCB喜多壱也(きた・かずなり)だ。
喜多は京都サンガF. C. の下部組織育ちの19歳。J1リーグでの試合出場経験はなく、ルヴァンカップ、天皇杯での出場が5試合のみ。プロでの実績はないに等しい。
なぜ、レアル・ソシエダが喜多に興味を持ったのか。それは今や欧州の多くのクラブが日本人選手をスカウティング網に入れているからだろう。U-20アジアカップで、喜多がU-20ワールドカップ出場権獲得に貢献したことも大きい。
〈身長188cm、左利きで長いボールを蹴れる〉
それだけで強力なセールスポイントと言える。なぜなら、世界的に長身で左利きのCBは貴重で、ラ・レアルも獲得で優先しているポイントになっているからだ。右利きで左CBをできる選手はいるが、やはり左CBには左利きを置くのが定石だ。
喜多はロングボールを弾き返せるだけの高さと、対角に蹴り込む左足のロングキックや縦に速いボールをつけられる。率直に言ってまだ線が細く、消耗戦では苦しむだろうし、高い強度で技術を出せるかは、今後の課題になるだろう。しかしサンセはスペイン2部で戦う。それはベルギーやオランダの1部にも匹敵し、もしシーズン終盤にでも定位置をつかめたら、将来の大きな布石になるはずだ。
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