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レアル・マドリードのシャビ・アロンソ新監督はどう戦う? キーマンは20歳のレフティ (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【新生レアル・マドリードで価値を高めたギュレル】

 トルコ代表の20歳。左利きで、フェネルバフチェ時代は「トルコのメッシ」あるいは「トルコのメスト・エジル」と呼ばれていた技巧派だ。

 これまでは攻撃的なポジションで起用されてきたが、司令塔的なプレーでより真価を発揮しそうである。トニ・クロースが引退して以来、埋められなかった穴を埋められそうな期待がある。

 技術的には止める、蹴るが正確。そしてパスの判断とキックの選択がいい。判断とキックは一体で、キックの精度と種類が豊富なギュレルはより多くの選択肢を持てる。

 後方のパスワークで相手を引きつけてスペースを突いていくレバークーゼン方式では、ボランチのポジショニングや配球力が重要になるが、ギュレルは要求を満たすプレーを披露していた。この方式でやるなら不可欠の存在になっていくだろう。

 ただ、レバークーゼン方式を継続するかどうかは微妙なところかもしれない。

 ヴィニシウス、アレクサンダー=アーノルド以外にも、キリアン・エムバペ、ロドリゴ、ブラヒム・ディアス、ダニ・セバージョス、エドゥアルド・カマヴィンガ、エデル・ミリトン、ダニエル・カルバハルといった実力者がひしめいていて、とくにエムバペとヴィニシウスを活用するのは最優先事項になるはずだからだ。

 エムバペは昨季途中からつかんだ「偽9番」的な動きを規制されないなら、とくにレバークーゼン方式に左右されることはないだろう。問題はヴィニシウスだ。

 左に張らせたいところだが、ヴィニシウスの左ウイングバックは守備に問題が出てくるのは間違いなく、そうすると現状のシャドー以外に起用する場所がない。シャドーがフィットしなければ、このシステム自体が使えなくなるだろう。

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