鈴木彩艶の才能にチェルシー、ナポリも興味津々 日本人GK初のプレミアリーガー誕生も遠くない (3ページ目)
【日本人GKの歴史を塗り変える可能性】
また、日本人とプレミアリーグの歴史も同様だ。稲本潤一に始まり、これまで多くの日本人がプレミアリーグでプレーしてきたが、全員フィールドプレーヤーだ。プレミアリーグの舞台に立った日本人GKはいない。
2001年、川口能活がイングランド2部のポーツマスに移籍し、チームも2002-03シーズンに優勝してプレミアリーグ昇格を果たした。しかし、川口は出場機会を求めてそのシーズンを最後にポーツマスから離れ、日本人初のプレミアリーガーになることはなかった。
したがって鈴木には、日本人GKの歴史を塗り変える可能性が残されているということだ。
プレミアリーグのプレー強度はすさまじい。他国で実力を認められたGKたちも、イングランドでは話が違う。アスレティック・ビルバオからチェルシーに移籍したケパ・アリサバラガは空中戦に苦しみもだえ、インテルからマンチェスター・ユナイテッドにやってきたアンドレ・オナナは2シーズン目もおびえながら過ごした。
フィフティのボールに対して、ゴールを狙う猛者たちは危険を顧みず、負傷のリスクを度外視して突っ込んでくる。そのプレーに腰が引けていると、周囲から「臆病者」と後ろ指を指される。鈴木を上回るキャリアを持ちながら、プレミアリーグで失格の烙印を押されたGKは少なくない。
いや、だからこそ自分の力を試したくなる。鈴木は粗野なタックルにもビクともしない頑健な肉体を有している。強いシュートを遠くに弾き飛ばす腕力、高速クロスへの対応、コーチングに必要とされる英語力も十分。まだ粗削りではあるものの、魅力にあふれる逸材だ。ステップアップのチャンスを逃してはならない。
6月3日、チェルシーがミランのマイク・メニャンに接触した事実が明らかになった。発信源は市場に詳しいジャーナリスト、ファブリツィオ・ロマーノ氏である。信頼できる消息筋からつかんだ情報に違いない。鈴木に逆風が吹き始めたのだろうか。
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