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セレソン新監督はどうなる? キラ星のような候補者リストも、そこにブラジル人の名はなし (4ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 候補者はみなビッグネーム。世界に名だたる監督ばかりだ。ただ、実際にブラジルがこれまで契約してきた監督たちのことを思うと、理想と現実の差が大きすぎて、不安が残る。なにせ、これまでずっと失敗してきたのだ。

 それにしても、次期セレソン監督候補にブラジル人の名がまったく出てこないのは、どういうことだろう。この問題は、サッカーを国技とし、世界中のファンに夢を与えてきたブラジルサッカーが今、深刻な衰退の危機に直面していることを物語っている。

 率直に言って、ブラジルには代表を任せられるような有能な監督がいない。ブラジルのビッグクラブも、多くが外国人監督に率いられている。

 ライバル、アルゼンチンと比べるとその差はよりはっきりしてくる。マルセロ・ビエルサ(ウルグアイ代表)、ホルヘ・サンパオリ(レンヌ)、ヘラルド・タタ・マルティーノとハビエル・マスチェラーノ(ともにインテル・マイアミ)、マウリシオ・ポチェッティーノ(アメリカ代表)......。アルゼンチンにはヨーロッパのトップリーグで活躍してきた指導者が多い。

 その理由のひとつは、アルゼンチンには歴史のある監督養成機関があるからだとされる。一方、ブラジルにはコーチという仕事をきちんと学べる場所がない。監督養成において、いつまでもリノベーションができていないのだ。

 いずれにせよブラジル代表の監督探しは、今後の数週間が勝負となるだろう。

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