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セレソン新監督はどうなる? キラ星のような候補者リストも、そこにブラジル人の名はなし (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【浮かんでは消える新監督の名前】得点を喜ぶアルゼンチンの選手たちと、それを見るヴィニシウス・ジュニオール  photo by Reuters/AFLO 得点を喜ぶアルゼンチンの選手たちと、それを見るヴィニシウス・ジュニオール photo by Reuters/AFLO この記事に関連する写真を見る

 この深刻な危機的状況から脱出する一番の策は、優秀な監督をベンチに招くことだ。瓦礫からチームを再建し、セレソンを再び世界のサッカーの頂点に返り咲かせる術を知る監督が必要だ。だが、正直に言って、それは「魔法使い」と同義語なのかもしれない。

 経験、カリスマ性、そして優れた戦術的ビジョンを併せ持つだけでなく、選手たちに自信を取り戻させ、力を最大限に引き出せるための心理学にも精通していなければならない。チッチ監督が辞任して以来、CBF(ブラジルサッカー連盟)はそんな監督を探し求めている。

 これまでに多くの監督候補の名前が浮かんでは消えていった。カルロ・アンチェロッティ(レアル・マドリード)、ジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)、ジョルジェ・ジェズス(アル・ヒラル)などの名前は、常に優先順位のリストのトップに位置している。だが彼らは現在、それぞれのクラブで多忙であるため、いったん候補から外されている。

 しかし、それ以外の候補者のリストも依然としてハイレベルだ。

 ヨアヒム・レーヴ。2014年ブラジルW杯優勝国であるドイツの監督だったレーヴの名前は、ブラジル人をワクワクさせる。ブラジルサッカーに関する彼の経験と知識は豊富だろう。なにせブラジルW杯では、セレソンに7対1というスコアで勝利したのだ。興味深い候補者であると言わざるを得ない。 レーヴはドイツ代表を去り、現在はどこのチームも率いていないが、CBFからオファーがあれば、再びベンチに戻ってくる可能性もある。

 ユルゲン・クロップ。ブラジルが希望するもうひとりのドイツ人だ。元リバプール監督で、現在はレッドブルの幹部であるクロップは、もう監督業から離れると見られていた。だが「セレソン再建」という挑戦は、彼の考えを変えさせるかもしれない。クロップ自身はブラジルメディアの取材に「現在の仕事は疲弊する」と漏らしていて、監督に復帰するのならばレアル・マドリードかブラジル代表ではないかという見方がある。

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