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サッカー日本代表に立ちはだかる壁は「強豪国」だけではない。W杯での真のライバルは? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【まだまだあるダークホース】

 ノルウェーはW杯、ユーロで、いずれも過去6大会続けて予選落ち。本大会に進めていないが、今季のネーションズリーグではBグループ4組で首位となり、上位16チームで争われるAグループ昇格を決めている。底が割れていない感じをどこよりも強く抱かせる、まさしく大穴だ。

 前回カタールW杯でベスト4入りしたモロッコも引き続き好調だ。日本の前に立ちはだかるチームとなる。その数5人はアフリカで最上位だ。リバプールを破りベスト8入りを決めたパリ・サンジェルマンの不動の右SBアクラフ・ハキミ、レアル・マドリードでスーパーサブ的な役割を担う右ウイング、ブラヒム・ディアス、PSVの中心選手、イスマエル・サイバリらが顔役を務める。ひと口にアフリカと言っても、モロッコは格段にしぶといサッカーをする。

 同じく5人を送り出しているトルコも曲者だ。大会に色を添える面白い存在である。2002年日韓共催W杯以降、5大会連続予選落ち。2023年に日本代表がドイツで対戦した際は、4-2で破っている。ベストメンバーにはほど遠い2軍仕様のメンバーだったが、そのイメージもあってか、我々はつい油断しがちである。

 ところが昨年のユーロ2024では一転、ベスト8入りを果たし、準々決勝ではオランダと好勝負を演じている。

 ケナン・ユルディス(ユベントス)、アルダ・ギュレル(レアル・マドリード)というともに2005年生まれの選手を両ウイングに据えた、勢いを感じさせるノリのいい攻撃的サッカーである。大黒柱はインテルのハカン・チャルハノール。ベンフィカのオルクン・コクチュ、ケレム・アクトゥルコールが脇を固める。

 2008年ユーロでも準決勝でドイツと名勝負を演じているトルコ。精神的なノリがハマると100の力が120出るタイプで、ダークホースという言葉がピッタリくる。

 アメリカも6人を数える。その内訳を見るとMFマリク・ティルマン、右SBリチャード・レデスマ、右SBセルジーニョ・デストと、PSVに所属する選手が目立つ。

 なかでも必見はティルマンだ。現在はケガで戦線離脱中だが、この22歳の万能型選手は将来が嘱望されるなかなかの大物。開催国アメリカの看板選手としての活躍が期待できる。かつてのフランク・ライカールトとルート・フリットを足して2で割ったようなスケール感というのが筆者の印象だ。さらにドルトムントに復帰したジョヴァンニ・レイナも、スジのよさそうな好選手だ。日本との親善マッチが見たい、勢いを感じさせるチームである。

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