プレミアリーグで奮闘の三笘薫、鎌田大地に優勝のチャンス FAカップ準々決勝の見どころ
イングランドの国内カップ戦FAカップはベスト8が揃い、準々決勝が行なわれる。プレミアリーグで奮闘する三笘薫のブライトン、鎌田大地のクリスタル・パレスが勝ち残っているが、今季はどちらにも優勝のチャンスがあるという。
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【154年の歴史がある世界最古の大会】
北中米W杯本大会行きを世界最速で決めた日本代表の2選手が、世界最古のメジャータイトル獲得へ向けて好位置につけている。
代表ウィーク明けの今週末、フットボール発祥の地イングランドではFAカップ準々決勝が予定されている。この大会が始まったのは1871年。実に154年もの伝統を持つコンペティションには、これまでに複数の日本人選手が挑み、2002年に稲本潤一が所属していたアーセナル、2013年に宮市亮が在籍していたウィガン、2022年に南野拓実がプレーしていたリバプールが優勝しているものの、いずれもチームの主力とは言えず、もっとも出場の多かった南野も準決勝以降はベンチ外だった。
一方、今季の8強に残っているブライトンの三笘薫はチームの攻撃の主軸で、クリスタル・パレスの鎌田大地は1年目のチームで定位置を掴んでいるとは言えないが、FAカップでは過去3試合のうち2試合に出場している。おそらくこの28歳の日本代表MFは、イングランドのリズムにまだ適応しきれていないだけで、いずれ本領を発揮するのではないか。フランクフルトで共にヨーロッパリーグ――こちらもカップ戦だ――で優勝したオリバー・グラスナー監督も、きっとそう考えていることだろう。
5月17日に聖地ウェンブリースタジアムで予定されている決勝に駒を進めるには、どちらもあとふたつ勝ち進まなければならないが、今季はその道のりが例年より平たく見える。なぜならベスト8に残っているビッグクラブは、マンチェスター・シティだけなのだ。またそのシティに対し、ブライトンは今季のプレミアリーグで1勝1分、クリスタル・パレスは1分。冒頭で、"好位置につけている"と記した理由だ。
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著者プロフィール
井川洋一 (いがわ・よういち)
スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。