検索

【プレミアリーグ】遠藤航を「もっと信頼すべき」の声も リバプールにとってその価値とは? (2ページ目)

  • 山中忍●文 text by Yamanaka Shinobu

【オランダ代表MFと比較すると......】

 身体能力も高いオランダ代表MFフラーフェンベルフが、新監督の期待に違わぬパフォーマンスを見せ始めた序盤戦には、ファンの間にも「遠藤不要論」があった。それが終盤戦の今は、ほとんど聞かれない。『ジ・アンフィールド・ラップ』『ブラッド・レッド』『ザ・レッドメンTV』など、リバプール通によるポッドキャストを聴いていても、「自分なら遠藤を使う」という意見が聞かれる。「あり得ないほど過小評価されている」と言う地元サポーターもいた。

 遠藤は、勝利への逃げきりだけではなく、勝利を引き寄せるためのチームパフォーマンスにも寄与できる存在であるはずなのだ。

 リーグカップ決勝後、「スロットは、もっと遠藤を信頼すべきだ」と言っていたのは、親子代々リバプールをサポートする友人のジャック。筆者と同じ西ロンドンの住人だが、アンフィールドのシーズンチケットを持つ彼は、最終スコア以上の完敗となったニューカッスル戦も、ウェンブリーのスタンドで見届けていた。

 先発したリバプールMF陣のなかで、フラーフェンベルフは数試合前からパフォーマンスに陰りが見えていた。まだ22歳と若いうえに、今季のような常時出場は、アヤックス時代の2021-22シーズン以来。プレッシャーのレベルも違うリバプール・レギュラー初体験のシーズンに、心身両面での疲労が溜まるのは当然だ。5日前のPSG戦でも、出来がよかったわけではないが、延長を含むフル出場だった。

「こういうこともある」風なスロットの試合後の会見を聞いて帰途に着いたところで、ジャックに「遠藤を使う手もあったような」と携帯メッセージを送ると、「守備的MFでも、CBでも、エンドーに期待を裏切られた記憶はない。スタメンだけじゃない戦力のクオリティも、今のチームの強みだったはずなのに」と返ってきた。

 マイボールの扱いにおいては、選手としての感性からして攻撃寄りのフラーフェンブルフに分がある。だが遠藤も、本能的にアンテナが働く守備面での負荷を背負うことで、攻撃的な周囲の味方を活かすことができる。

2 / 4

キーワード

このページのトップに戻る