【プレミアリーグ】シティ&ユナイテッドのダブル不振でマンチェスター市の「サッカー観光」産業が崩壊中 (4ページ目)
人員削減はクラブだけではすまない。警備会社、ケータリング会社、グッズ販売店、輸送サービス会社などが大幅な人員削減を行なっている。バーナム市長によれば、2024年の離職率は例年より50%増えたという。失業率の増加は、今や毎日のようにメディアのニュースになっている。
さらに深刻なのは、マンチェスターのイメージの失墜である。「伝説的なフットボールの街」という評判は、計り知れないダメージを受けている。
ユナイテッドとシティが世界最高のチームであった頃は、マンチェスターの専門学校や大学へ多くの留学生が押し寄せていたが、今その出願率は35%減少したという。
また、以前は会議、セミナー、イベントをマンチェスターで開こうという企業が多かった。ウィークデーに会議をしたあと、週末にはついでにサッカーでも見ようと考える人は多く、常に会場が不足していた。しかし現在までのところ、2025年にマンチェスターで開催される予定のビッグイベントは皆無だ。
両クラブとも、羽振りのいい頃は、市の青少年育成プログラムや健康増進、教育や貧困地域への支援などに協力していたが、今はそれも縮小している。これらの支援を受けていた少なくとも2万5000人の市民が影響を受けているという。
シティとユナイテッドがどのようにプレーをするかで、マンチェスターという街自身の活力が決まる。危機に瀕しているのは、サッカーの栄光だけではなく、都市全体の経済と社会である。よくも悪くも、これがサッカーの影響力なのだ。
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