【プレミアリーグ】シティ&ユナイテッドのダブル不振でマンチェスター市の「サッカー観光」産業が崩壊中
市内に複数のビッグクラブを擁し、その名前を聞くだけでサッカーを思い起こさせる都市がある。マドリード、ミラノ、ローマ、サンパウロ、リオデジャネイロ、ロンドン、そしてマンチェスター。しかし今、マンチェスターは2大チームの不振により大きな打撃を受けている。
マンチェスター・ユナイテッドは、27年間監督を務めたサー・アレックス・ファーガソン(プレミアリーグ優勝13回、チャンピオンズリーグ/CL優勝2回)が2013年に引退して以来、かつての輝きを取り戻すことができない。
デイビッド・モイーズ、ライアン・ギグス(暫定)、ルイス・ファン・ハール、ジョゼ・モウリーニョ、オーレ・グンナー・スールシャール、マイケル・キャリック(暫定)、ラルフ・ラングニック(暫定)、エリク・テン・ハグ、ルート・ファン・ニステルローイ(暫定))......ユナイテッドは11年余りで9人もの監督を代え、それがチームの危機をより深めた。
それぞれの監督は皆、前任者の仕事を解体し、相反する哲学を実行する。異なるビジョンと異なる戦術によって昨季とはまるで違うチームが作られ、選手たちはその変化に適応するだけで精一杯だった。そうこうしているうちに、マンチェスター・ユナイテッドというクラブのアイデンティティはすっかり迷子になってしまった。
かつては安定性と長期的な視野で有名だったユナイテッドは、今では常に危機的な状況に置かれている。新しく赴任した監督や選手たちは、それをどうにかしてほしいと、「救世主」のレッテルを貼られ、過度の期待を寄せられたあげく、失敗する。
マタイス・デ・リフト、ジョシュア・ザークツィー、マヌエル・ウガルテといった選手に1億7000万ポンド(約320億円)以上を費やしたにもかかわらず、パフォーマンスは低下し続けている。また次々と監督を追い出したことで、監督へ支払った報酬と違約金だけでも8000万ポンド(約150億円)を超える。
問題はピッチだけに留まらない。チームの財政ひっ迫による大幅な人員削減は、クラブの運営組織を根こそぎ破壊した。
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