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チャンピオンズリーグで神セーブ連発のアリソンを見たか リバプールのパーフェクトGKはバロンドール候補 (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【非の打ちどころのないパーフェクトGK】

 GKはポジションがひとつしかない。どのポジションより競争は熾烈だ。

 アリソンの最初のライバルは兄のムリエウだった。インテルナシオナルでは兄のバックアッパーとしてスタート、やがて正GKの座をつかんだ。するとブラジルのレジェンドであるジーダが移籍してきた。ここでも控えからポジションを獲得した。移籍したローマでもヴォイチェフ・シュチェスニーとポジションを争った。ちなみにシュチェスニーはいったん引退していたが、先ごろバルセロナで復帰して活躍中だ。

 リバプールでは最初からレギュラーとして迎えられている。すでに世界有数のGKとして実力を認められていた。

 アリソンにできないことはない。シュートストップは超人的。ハイクロスに強く、足下の技術にも優れている。ロングフィードの飛距離と精度はすばらしく、モハメド・サラーに何度かアシストのパスを送っている。終了間際に値千金のヘディングシュートを決めたこともある。

 非の打ちどころのないパーフェクトGK。これほどの正統派は南米のGKとしてはむしろ珍しいかもしれない。

 ブラジル代表では1994年アメリカW杯優勝のGKクラウディオ・タファレルに似ていると言われるそうだ。ブラジル代表GKとして最多出場記録を持ち、PKストッパーとしても有名だったが、派手さよりも堅実さが際立っていた。2021年からリバプールのGKコーチを務めている。

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