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久保建英の出場時間が調整される理由 スペイン人記者が明かすレアル・ソシエダの苦しいチーム事情 (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【久保の出場時間が調整される理由】

 久保は今季ここまでチームトップの公式戦29試合に出場し、欠場は2試合のみ(※その他、ベンチ入りするも出番なしが1度あり)。出場した試合では先発21回、ベンチスタート8回で、フル出場が6回あった。一般的にウイングは、例えばセンターバックやボランチに比べてはるかに交代の多いポジションだ。今季の久保のプレー時間は、チーム7番目の1900分となっている。

 これまで見せてきたパフォーマンスから、久保が後半に試合の流れを変えられる特性を備えているのはわかっている。しかし、ベンチスタートよりも先発としての適性が高いことは数字から明らかだ。

 スタメン入りした21試合の成績は10勝4分け7敗。その間に4得点3アシストを記録している。本人は得点面の改善が必要であると自覚しているが、他の選手の成績を考えると、まったく悪くない数字だ。一方、途中出場した8試合の成績は3勝5敗、1得点0アシスト。これは、久保が先発すべき選手であることを示している。

 チームにおいて非常に重要な存在となっている今、イマノルが久保を常にフレッシュな状態にしておきたいと思っているのは明らかだ。しかし、彼をベンチに置いた試合において、チームが早い段階で勝負を決めることは滅多にない。勝つためには起用せざるを得ないのだ。

 それは"矛盾"である。それを解決するためにイマノルは、久保の出場時間をうまく調整しなければならない。だから彼はあまりフル出場することがないのだ。

 ベンチにはアンデル・バレネチェアやシェラルド・ベッカーのように、チームに新鮮な空気をもたらす能力を備えた選手たちが控えている。今抱えている問題を解決するためにイマノルは、彼らをもっと生かす必要があるだろう。特にベッカーは他の選手とは違うプレーでチームに貢献できるはずだ。

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