検索

サッカー日本代表入りへ関根大輝が手本にすべきは酒井宏樹 フランスで求められる能力とは? (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【酒井宏樹がデビュー戦で学んだこと】

 主力CBだったエマニュエル・アグバドゥがこの冬、2000万ユーロ(約32億円)でプレミアリーグのウルヴァーハンプトンに引き抜かれ、最終ラインが手薄になった。そうような選手層だけに、加入してすぐにブタを脅かすのは難しいとしても、関根の出場機会はそれなりにあると予想できる。

 ただ、昨年のパリ五輪で実力を証明したとはいえ、プロキャリアわずか1年の関根にとって、日本人が得意としない独特なフィジカルバトルを特徴とするリーグ・アンに順応することが最初のハードルとなる。

 とりわけリーグ・アンで関根が対戦するチームには、ずば抜けた身体能力やスピードを武器とするウインガーが多い。適切な間合いを取らなければ、あっという間に置き去りにされてしまう可能性は十分にある。

 そういう点で、日本代表入りを狙うためにも今後の参考にすべきは、柏レイソルの大先輩にあたる酒井宏樹だろう。

 現在オークランドFC(オーストラリア)で活躍する酒井がハノーファー(ドイツ)から名門マルセイユに加入したのは2016年の夏。加入当初の酒井は「リーグ・アンに適応するまでには時間がかかるだろう」と控えめに語っていた。

 リーグ・アンでのデビュー戦、酒井は対峙した相手ウインガーにドリブル突破を許してピンチを招く。彼はそれを教訓に、次の試合から対峙する選手を研究し、1対1の局面での間合い(相手との距離)を変えたことで、予想以上のスピードでリーグ・アンに適応することができた。

 また、酒井がリーグ・アンにフィットできたのは、ブンデスリーガでの経験に加え、日本人離れした強靭なフィジカルを兼ね備えていたことも大きかった。その点、関根には185cmの酒井を上回る187cmの身長がある。しっかりとトレーニングを積めば、酒井以上のフィジカル能力を身につけるに十分な体格があることも明るい希望と言える。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る