中井卓大は正念場...守田英正ら日本人MFがスペインで活躍するためには何が必要か (2ページ目)
【今季が正念場の中井卓大】
7年に渡ってスペインでプレーしたMF柴崎岳(鹿島アントラーズ)は、「健闘した」と言えるだろう。ひとつのプレーを切り取ると目覚ましく、1部時代はバルサ戦でゴールして話題になった。しかし、主戦場は2部で、デポルティーボ・ラ・コルーニャ時代はチームを3部に落としている。監督次第で波があり、ボランチか、サイドか、トップ下か、ポジションを確定することができなかった。
レアル・マドリードのBチームであるカスティージャから3部のアモレビエタにレンタルされている中井卓大も、適性のポジションがわからないMFだろう。技術的な水準は高いが、サイドで起用するにはスピードがないし、トップ下では圧力に負け、ボランチでは守備に弱さが出る。攻撃的ボランチとして定着できるか。今シーズンは正念場だが、昨年11月からベンチが定位置だ。
こうして考えると、1部がどれだけ難関かわかるだろう。
スペインでもその実力が高く評価されている守田英正(スポルティング)photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIAこの記事に関連する写真を見る 一番適性がある日本人MFは、守田英正(スポルティング)だろうか。
守田は森保ジャパンでも、最近は戦術そのものを司っている。もともとスキルは高いし、プレーメイクに優れていたが、チーム全体を動かすような存在になった。ポジショニングに優れることで、たくみにセカンドボールを回収し、押し込むことができる。混乱を生じさせたところで、得点スペースにも入り込む。変幻自在のMFだ。
それはポルトガルで磨いた技術だろう。昨シーズンはポルトガルリーグ制覇も経験。その経歴は伊達ではない。今シーズンもルーベン・アモリム監督が移籍するまでは国内リーグは開幕以来、11連勝を飾り、チャンピオンズリーグでも一時は3勝1分けで、マンチェスター・シティからも勝ち星を挙げる殊勲者だった。
守田はポルトガル語も習得しており、その点でもスペイン挑戦にも支障がない。スペイン語と非常に近く、少なくとも彼がポルトガル語で喋れば、意味は通じ、コミュニケーションの問題をクリアできる。対戦相手の力量が1、2ランクは上がることになるが、活躍できる見込みはあるだろう。
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