久保建英に続くのは誰だ? 日本人選手にとって鬼門、スペイン挑戦の候補者を探る
リーガ移籍候補を探る(1)~ストライカー編
今冬のマーケット、レアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)の久保建英の「プレミアリーグ移籍の噂」がまことしやかに報じられている。結末がどうなるにせよ、活躍ぶりを考えると、移籍は時間の問題か。
それだけ熱烈なラブコールを受けているわけで、久保がラ・リーガで道を広げた、とも言い換えられる。
「ラ・リーガで結果を出した日本人選手」
多くの選手が挑戦しながら、そう言いきれるのは、久保以前は乾貴士(清水エスパルス)ひとりだった。シーズンの半分程度の期間、上々の結果を残した選手はいたが、1シーズンを通して活躍できたのは乾のみ。ただし、それは1部では下位のエイバルでのプレーだった。
プレミアリーグ移籍の噂が絶えない久保建英(レアル・ソシエダ) photo by Nakashima Daisukeこの記事に関連する写真を見る 久保は18歳でマジョルカに入団し、1年目から乾に肩を並べた。ビジャレアル、ヘタフェ、マジョルカと流転するなかではやや停滞したこともあったが、ラ・レアルに移籍後、輝きを放った。ダビド・シルバのような天才レフティとプレーすることで、才能が解き放たれた。チームをチャンピオンズリーグ(CL)出場にけん引し、CLベスト16の立役者にもなった。
その点、彼は特別な日本人だ。
たとえばプレミアリーグのスター、三笘薫(ブライトン)は久保と双璧を成す日本人選手と言える。しかしプレミアでは、香川真司(セレッソ大阪)、南野拓実(モナコ)、冨安健洋(アーセナル)、遠藤航(リバプール)が、悪戦苦闘しながらも、マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、アーセナルというメガクラブに在籍。岡崎慎司はレスターでリーグ優勝に貢献し、吉田麻也(ロサンゼルス・ギャラクシー)もサウサンプトンで長くプレーした。三笘は彼らに続く存在だ。
一方、久保はスペイン、ラ・リーガの"開拓者"と言える。
今回は、久保がスペインで成功した理由を解き明かしながら、後に続く日本人選手を考察する。ストライカー、サイドアタッカー、トップ下、ボランチ、センターバック、サイドバック、GK......ポジションごとに、最適の人材はいるのかを探る。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。