検索

久保建英は「いたずらを発明」と現地紙が称賛 レガネス戦スーパーゴールには伏線が

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 2月23日(現地時間)、ラ・リーガ第25節。レアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)は本拠地にレガネスを迎え、3-0と完勝を収めている。これで8位にランクアップした。

 勝ち点3は厳命だった。なぜなら、1位から4位までがチャンピオンズリーグ(CL)、5位がヨーロッパリーグ(EL)、6位がカンファレンスリーグ出場権を獲得する。来季を考えれば、これ以上は順位を落とせない。今季はスペイン国王杯、ELでの戴冠が最大目標だが、それぞれ準決勝でレアル・マドリード、ラウンド16でマンチェスター・ユナイテッドを倒すことが条件になる。

 その勝利を託されたのが、久保建英だった。

 後半立ち上がり、久保は右サイドでボールを受けると、ファン・クルスとの1対1で、左足にボールをさらしながら、居合抜きのようなフェイントで軽々と置き去りにする。エリア内に入ると、アドリア・アルティミラに立ちふさがれるが、幻惑的なステップでシュートコースを作った。そしてGKからはほとんど見えないところからゴールの逆サイド上に蹴り込んだ。

 勝利を決定づける2点目は魔術的だった。

レガネス戦に先発、今季リーグ戦5点目を決めた久保建英(レアル・ソシエダ) photo by REX/AFLOレガネス戦に先発、今季リーグ戦5点目を決めた久保建英(レアル・ソシエダ) photo by REX/AFLOこの記事に関連する写真を見る「久保はまたしても"いたずらを発明した"。エリア内で相手マークをはがし、どこかに身を隠して消えた(ところからシュートを決めた)」

 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、記者の昂揚が伝わる表現だった。

「ラ・レアルはプランBで勝利」

 スペイン大手スポーツ紙『マルカ』は、ミケル・オヤルサバル、ブライス・メンデス、アンデル・バレネチェアなど久保以外の主力を休ませ、勝ち点3を得たことを評価した。

 久保は、かつて日本人が誰もできなかったことをやってのけている。毎試合、限界を突破。とんでもないレベルにある―――。

1 / 3

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

フォトギャラリーを見る

キーワード

このページのトップに戻る