久保建英に続くのは誰だ? 日本人選手にとって鬼門、スペイン挑戦の候補者を探る (3ページ目)
【高く評価されていた岡崎慎司】
大久保だけでなく、城彰二(元バジャドリード)、西澤明訓(元エスパニョール)、ハーフナー・マイク(元コルドバ)、武藤嘉紀(ヴィッセル神戸、元エイバル)など、いずれ劣らぬ日本代表FWがスペインに挑戦した。数試合は非凡さを見せたが、1シーズンにわたって活躍はできていない。消耗戦に勝てなかったのだ。
スペイン人指導者やスカウトなど関係者の意見を総合すると、過去の日本人FWで最も評価されたのは岡崎慎司だろう。
「岡崎のプレーは知的だ。それが効率的なプレーにつながり、ストレスが少ない。ゴールに近づくにつれ、抜け目のない動きができる。多くのアタッカーは逆だ」
Sportivaのご意見番で、ラ・レアルの強化部長、育成部長、スカウトなどを歴任したミケル・エチャリもそう証言していた。
「私は南アフリカワールドカップ前から『岡崎はラ・リーガのミドルクラスのチームでプレーできる』と評価してきた。ゴール前のポジション取りが天才的。ディフェンスライン、パス、走り込むスペースを瞬時に計算し、最高の答えを出す。とりわけ、ダイアゴナルに走り込む感覚も百点満点。ゴールに向かう意識が高く、そこでのミスが少なく、ヘディングも高い技術で、欠点を探すのが難しい」
岡崎は2部ウエスカで12得点を決め、1部昇格に貢献した。その点、エチャリの評価を裏付けたと言える。1部ではわずか1得点に終わり、チームも降格したが、当時34歳と最盛期を過ぎていた
岡崎の知性こそ、今後もラ・リーガ挑戦の日本人FWの鑑とすべきだ。
「誰が通用するか」
その議論で言えば、現在では上田綺世(フェイエノールト)が条件を満たすだろう。論理的なアプローチをするFWで、激しいせめぎあいの中でプレーするタフさもある。シュートのバリエーションやパワーは瞠目すべきだ。
しかし、「通用する」と「活躍する」は違う。やはり、フェイエノールトで20得点を取るようなFWでないと、ラ・リーガでは厳しい。なぜなら、浴びるプレッシャーはオランダの比ではないからだ。
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