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三笘薫の移籍は九分九厘ない コンディションが整うまで、もう少しだけ辛抱が必要だ (3ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【敵将は三笘の後半出場に唇を噛んだ】

 やはり、疲れを引きずっている。

 チームに迷惑をかけていないため、「可もなく不可もなくの及第点」という一部の評価にはうなずけるものの、三笘は常に一定以上のインパクトを求められる稀有な存在である。コンディションが整うまで、本人もヒュルツェラー監督も、そして我々日本のファンも、もう少しだけ辛抱が必要だ。

 ラインナップから外れたり、試合出場が短かったりすると、メディアはついついネガティブな発想を生む。マイナス思考に基づく情報に踊らされると、三笘とブライトンに失礼だ。

 また繰り返しになるが、過密日程に抗うためにはローテンションの活用がチーム浮沈のカギを握る。三笘→アディングラでも、アディングラ→三笘でも、タイプの異なる左ウイングを使い分けたほうがいい。

「ミトマのような優れたウイングが後半から出てくるのだから、対応が難しかった。彼の登場で、試合の流れがガラリと変わった」

 19節、ブライトンに2-2で引き分けたあと、アストン・ヴィラのウナイ・エメリ監督は唇を噛んだ。ローテーションとはいえ、58分から出場してきた三笘によってブライトンの攻撃は活性化した。

 1月16日 イプスウィッチ(21節/A)
 1月19日 マンチェスター・ユナイテッド(22節/H)
 1月25日 エバートン(23節/H)
 2月1日 ノッティンガム・フォレスト(24節/A)
 2月8日 チェルシー(FAカップ4回戦/A)
 2月14日 チェルシー(25節/H)
 (日本時間)

 プレミアリーグ残留という強烈なモチベーションを持つイプスウィッチ、ついに上向いたかに見えるユナイテッド、デイビッド・モイーズ新監督誕生でムードが一変したエバートン、20節終了時点で3位の絶好調フォレスト、さらにその翌週からはFAカップを含めてタレントの宝庫・チェルシーとの連戦だ。ブライトンに平穏の日は訪れない。

 しかし、中2日はわずか1試合だけで、エバートン戦とフォレスト戦はともに中6日だ。疲労が蓄積している三笘にとっては願ったり叶ったりの試合間隔で、ヒュルツェラー監督も戦略・戦術を再確認する時間がつくれる。

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