三笘薫の移籍は九分九厘ない コンディションが整うまで、もう少しだけ辛抱が必要だ (2ページ目)
【無理強いすると古傷が再発するリスクも】
しかも三笘は、5月で28歳になる。年齢的にもビッグクラブへの移籍は最後のチャンスだ。ブライトンが設定したとされる5500万ポンド(約99億円)も多少は値引きできる、との憶測まで飛び交っている。
移籍市場のニュースとしては恒例で、現時点で特筆すべき動きはない。
三笘がスタメンから外れるのは、ファビアン・ヒュルツェラー監督がコンディションを最優先しているからに違いない。昨シーズンの三笘は腰と足首を負傷し、26節から欠場。その後のブライトンは2勝4分7敗と落ち込み、7位から11位にまで滑り落ちていった。
シモン・アディングラとヤシン・アヤリが急成長し、ユーティリティープレーヤーのソリー・マーチもひざのケガから1年ぶりに復帰したとはいえ、三笘の域には達していない。チャンピオンズリーグの出場権を得る4位以内とFAカップを獲得する最重要戦力が『KAORU MITOMA』 であることは、誰の目にも明らかだ。
だからこそヒュルツェラー監督は、三笘の健康に配慮しているのだろう。無理強いすると古傷が再発し、完治するまで長期化しかねない。
冨安やマンチェスター・ユナイテッドのルーク・ショー、メイソン・マウントは古傷に蝕まれ、悶々としたシーズンが続いている。三笘に彼らと同じ轍を踏ませるわけにはいかない。
「中盤戦を迎えるまで、カオルは数多くの試合に出場してきた。日本代表も含めると、かなりの距離を移動している。疲れていないわけがない。ピッチに立てばいつだって大きなインパクトを残してくれるけれど、彼にも休養は必要だ」
ブライトンの公式ホームページを通じ、ヒュルツェラー監督は全幅の信頼を明かした。移籍は九分九厘ない、と考えられる。
1月11日に行なわれたノリッジ戦(FAカップ3回戦)で、三笘は3試合ぶりにスタメン復帰。大方の予想どおりブライトンは4-0の圧勝を収め、三笘もフル出場している。ただ、ベストコンディションにはほど遠かった。彼らしくないイージーなミスも散見され、動きそのものも切れ味を欠いていた。
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