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プレミアリーグ屈指のクローザー・遠藤航はリバプールを離れるべき? オファー殺到は必至 (3ページ目)

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

【「エンドウ・ロール」と呼ばれる日も...】

 仮に遠藤が移籍市場の俎上に乗るとしたら、人気銘柄になってオファーが殺到するに違いない。マンチェスターを本拠とするユナイテッドとシティは、中盤の守備強度向上が喫緊のテーマだ。アストン・ヴィラも中盤センターは人材難で、ニューカッスルのエディ・ハウ監督は遠藤のカバーリング能力・強度を常日ごろから高く評価している。

 また、メディアのおとぎ話だとしても、インテルやミランなどセリエAからも秋波が届き、シュツットガルトに在籍していた当時の大活躍によりブンデスリーガで遠藤は依然として人気ブランドだという。リバプールで冷や飯を食い続けるくらいなら、移籍を決断したとしても不思議ではない。

 どのようなシナリオが用意されているのか、神のみぞ知るといったところだが、願わくはリバプールで定位置奪回が最高だ。ソボスライをはじめとする主力が疲弊し、ジョーンズとエリオットが経験不足を露呈した時、遠藤が再び異彩を放つ。

 スタメンでも途中出場でも気にしない。サッカーが細分化され、スタメン・フル出場がすべてではなくなった今、クローザーというタスクが「エンドウ・ロール」と呼ばれる日がやってくるかもしれない。

 かつてレアル・マドリードやチェルシーで一世を風靡したクロード・マケレレの卓越した守備技術は「マケレレ・ロール」と絶賛された。

 プロ野球も先発、セットアッパー、クローザーと役割が明確になり、試合を畳むタイプの投手にも個人賞が与えられるようになった。サッカーもマンチェスタ・シティで不動のアンカーを務めていたロドリがバロンドールに輝いたとはいえ、まだまだ守備的な役割にスポットライトが当たっているとは言いがたい。
 
 こうした風潮を変える一翼を遠藤が担えば、同じ日本人として痛快だ。

「監督は全員が必要だと話していた」
「日々の努力を見てくれている」

 遠藤もSNSを通じてスロット監督に対する信頼を明らかにし、自身のポッドキャスト『RED MACHINE The WATARU ENDO PODCAST』では、指揮官と話し合って現状に満足していることも示唆していた。ならば遠藤の決断を尊重し、リバプールでの復活を信じることが肝要だ。

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